2025年を振り返り、感謝を込めて
皆さま、こんにちは。
気づけば、今年も残りわずかとなりました。
今年は、暑さと寒さが行き交い、季節の輪郭が少し曖昧なまま、年の瀬を迎えています。
それでも、車窓から流れる景色や、駅に降り立ったときの空気に、その時々の季節を、ふと感じる瞬間がありました。
そんな2025年は、ななつ星in九州にとっても、さまざまな経験を重ねた一年でした。
4年に一度の大きな車両点検に伴う長期運休の期間には、ツアーデスクにて、初めて企画から催行までを担当するバスツアーを実施しました。
列車とは異なる形ではありましたが、九州の魅力をお届けする想いは変わらず、ひとつひとつを確かめながら進めた時間は、いまなお心に残っております。

写真は、ツアーで訪問を予定していた「小倉総合車両センター」の一枚です。
当日は、大雨のため訪問は叶いませんでしたが、その日も工場の皆さまは、変わらず温かく迎える準備をしてくださっていました。
この場を借りて、あらためてご紹介いたします。
また、今年は多くのプレミアムツアーも催行いたしました。
クルーと一緒になって準備を進める機会も多く、いつもとは少し違った学びを得ることができました。
お客さまの喜ばれるお姿を拝見できた瞬間は、いつにも増して嬉しく、胸に残るひとときとなりました。
こうした日々の積み重ねの中で、「ななつ星in九州」は、世界ホスピタリティ賞「第25回 Hospitality Awards®」「Best Concept on the Move」部門にて、最優秀賞を受賞いたしました。
ご乗車いただいたお客さま、そして日頃より支えてくださる地域の皆さまのおかげだと、改めて感じております。
本年も「ななつ星in九州」を支えてくださったすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。
どうぞ穏やかな年末年始をお過ごしください。
また九州の地で、そして、ななつ星の車内でお逢いできる日を楽しみにしております。
- ツアーデスク
- 谷
ななつ星で巡る時間旅行
師走に入り、冬の寒さが身にしみる季節となりました。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
クルー14期生の笹山遥花です。
私の地元・北海道では、連日雪が降り積もり、ホワイトクリスマスになりそうです。
現在運行中の3泊4日「雲仙コース」は、博多駅を起点に九州東西を横断しながら各地を巡る旅です。
コース名の由来となった長崎県の雲仙温泉は、なんと1300年前から続く、九州を代表する温泉地のひとつ。
古くから国内外の人々を魅了してきました。旅の中日には、温泉と地元の方々の温かさが、皆さまの日頃の疲れを癒してくれることでしょう。
そして旅の舞台、長崎といえば、江戸時代に唯一の貿易港として非常に重要な役割を担いました。
海外から多様な文化や物を受け入れ、発展を遂げてきた長崎は、現在もその独特な文化の片鱗を垣間見ることができます。
海からもたらされた品々は、長崎から小倉へと続く「長崎街道」を通じて各地へと伝わりました。

(こちらは一人旅で嬉野を訪れた際に撮影した一枚です。)
この長崎街道は、参勤交代のために整備されましたが、時代の変遷とともに、大名だけでなくオランダ商館長一行、学者や職人、さらにはゾウまで通ったといわれています。
なかでも砂糖は貴重な品として取引され、長崎街道は「シュガーロード」とも呼ばれました。
やがて街道沿いには菓子職人が集まり、修行を重ね、各地で特色あるお菓子が生まれていきました。

ななつ星は、3日目にこのシュガーロード沿いの街をいくつか通ります。
ご乗車の皆さまには、佐賀の銘菓「丸房露」をご用意。
表面にはななつ星オリジナルの焼印入りで、一つひとつ職人の手作業による逸品です。

この丸房露を手がけるのは、佐賀で創業380年以上の歴史を誇る老舗「鶴屋」さん。
鶴屋さんとななつ星の出会いは、今年の夏。原尻クルーが「どなたでもお召し上がりいただける美味しい菓子」を探していたところ、長年地元で愛されてきた鶴屋さんにめぐり逢いました。
江戸時代、佐賀藩は長崎警備を任され、砂糖を優先的に購入できたため、街道沿いでは多くのお菓子が生み出されました。
佐賀藩出身の大隈重信公も丸房露を大変気に入り、東京の邸宅に専用窯を作らせ、鶴屋十一代目を招いて焼かせたという逸話も残っています。
小さなお子さまからご年配の方まで、どの世代にも受け入れられる優しい味わいです。
おすすめの食べ方は、まずはそのまま一口。ふんわり口の中に広がる優しい甘さと食感をお楽しみください。
二口目は、お好みで牛乳や紅茶に浸してどうぞ。ぜひ、シュガーロードの歴史に思いを馳せながらお召し上がりください。
サロンカーは、皆さまが思い思いに過ごせる空間です。
コーヒーや紅茶を片手に、旅の仲間との語らいを楽しむも良し、車窓を眺めたり、本を読みながらゆったり寛ぐも良し。
お時間帯によって、お飲み物やお菓子のご用意もございますので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
今回は雲仙コースにちなんだ「シュガーロード」をご紹介しました。
ご乗車予定のお客さまも、これから九州への旅をされる皆さまも、いにしえの人々の歩みを振り返りながら各地の銘菓を味わってみませんか。
ななつ星の車内、沿線で皆さまとお会いできることを心待ちにしております。
寒さが厳しくなりますので、どうぞお体にお気をつけください。
- クルー
- 笹山
あっという間に…
皆さま、こんにちは。
季節はすっかり冬の寒さを感じる頃となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
気づけば2025年も残りわずか。
今年は運休期間が長く、運行再開からあっという間に年末を迎え、時の流れの速さを感じています。
ななつ星の今年の運行も、残すところあと5回となりました。
今年も多くの方々との素晴らしい出会いに、クルー・スタッフ一同心より感謝申し上げます。
さて、12月といえばイベントがたくさんあります。
年末に向けた大掃除や年賀状の準備、そしてなんといっても「クリスマス」ですね🎄
博多駅では毎年恒例の「クリスマスマーケット」が開催されています。
今年はスーパーマリオとのコラボレーションで、華やかな装飾が施され、多くのお客さまで賑わっています。
博多駅にお越しの際は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

またクリスマスは、大切な方へ気持ちや贈り物を届ける特別な日。
普段なかなか伝えられない感謝の気持ちを、“ありがとう”とともに贈ってみるのも素敵ですね。
皆さまのクリスマスが心温まるひとときとなりますように。
ななつ星は、九州各地のみなさまの夢や想いを乗せて、多くの方に「新たな人生にめぐり逢う旅」をお届けできるよう、そして九州のみなさまに“ありがとう”の気持ちをお伝えしながら、これからも走り続けてまいります。

車内のくろちゃんもサンタ風に着替えて、窓側から沿線の皆さまを見ているかも・・・
- クルー
- 田原
陽光に包まれる峡谷で
来春、2026 年より新たなコースの一つとして運行する「高千穂コース」。運行開始から 12 年、たくさんのお客さまに支えられてきた私たちの旅に、またひとつ新しい魅力が加わります。
先日、プライベートで高千穂を訪れました。早朝の高千穂峡は、陽光が山肌からゆっくりと差し込み、川面が静かに輝く特別な時間でした。散歩をしながら吸い込む朝の澄んだ空気は、まるで体の奥からエネルギーが満ちていくよう。日常の喧騒を離れ、静けさの中でリフレッシュできるひとときでした。
高千穂は、天照大神の孫・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が地上へ降り立ったとされる「天孫降臨」の地として知られ、古来より“地球のエネルギーが満ちる場所”と語り継がれてきました。神話ゆかりの地を歩くと、自然そのものが持つパワーに包まれているような不思議な感覚があります。
来春からの新コースでは、こうした高千穂の神話と自然を列車の旅に取り入れ、お客さまに静かで豊かな時間をお届けしたいと考えています。陽光に照らされた峡谷の美しさ、そよぐ風のやわらかさ、そして心に満ちていくエネルギーを、ぜひ列車の旅とともに感じていただければ幸いです。
- スタッフ
- 竹中
ななつ星in九州の早朝散策~延岡駅で触れるオリンピックの軌跡~
冬隣の澄みきった朝、旅の途中で延岡駅に降り立つと、静かな空気の中に凛とした気配が漂います。
駅前には、宮崎県ゆかりのオリンピック・パラリンピック出場選手の手形・足形モニュメントが並び、訪れる人々を迎えてくれています。


マラソンで有名な宗兄弟をはじめ、数々の著名な選手の手形や足形に驚かされます。
中には「こんなに大きな手???」と思うような巨大な手形もあり、柔道の篠原信一さんの手の大きさは圧巻です。
また、東京2020パラリンピックに出場した外山愛美選手の手形も設置されており、パラアスリートの活躍にも触れることができます。
世界で戦ったアスリートたちの形跡に触れながら、自分の手と重ねてみるひとときは、旅の思い出に残る体験になるかもしれません。
現在運行中の「ななつ星in九州」の1泊2日コースでは、日曜日の早朝6時40分に延岡駅に到着し、7時47分に出発します。
澄んだ空気の中、駅前を散策したり、ランニングを楽しむお客さまもいらっしゃいます。
延岡駅にお越しの際は、駅前すぐの場所で、アスリートたちの足形・手形に出会えます。
ぜひ立ち寄ってみてください。

- クルー
- 奥村
雲仙で迎える朝
朝晩特に冷え込むようになりました今日この頃でございますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
「泥染めの工房で弟子に誘われた」クルーの髙岡です。
先日、クルーの肥後が「奄美プレミアム」の記事を綴っていましたが、私も添乗員として奄美へ同行しました。
職人の工房に特別にお邪魔し、職人の皆さまのスペースで染めをさせていただくという貴重な時間は、忘れられない思い出になりました。
現地の様子(特に、イキイキと泥染めをしている私の姿)は、ぜひ前回の肥後の記事をご覧ください。

さて、写真は10月末の3泊4日雲仙コース運行にて、雲仙での朝のお散歩「ネイチャーフィールウォーキング」にて撮影した一枚です。
古くから避暑地として知られる雲仙は最低気温が1桁になる日も増え、いよいよ山も赤く色づき始めています。
「白雲の池」の周りを歩いてみると、肌にピタッと張り付く早朝の冷たい空気が、温泉でゆったりと休まった体を心地よく目覚めさせてくれます。
雲仙で爽やかな空気を体いっぱいに溜め込み、旅はななつ星へ。
季節の移ろいの中を列車は駆け抜けていきます。
ななつ星の額縁から覗く季節を、旅の思い出にして……。
季節の変わり目、どうぞご自愛ください。
- クルー
- 髙岡
うがみんしょーらん(こんにちは)
「うがみんしょーらん」という言葉は鹿児島県奄美大島の言葉で「こんにちは」の意味です。
「うがみ」とは“拝み”、「しょーらん」が“候う“のなまりだと言われていて「お顔を拝ませてもらいます」といった丁寧な気持ちが込もったあいさつです。
ななつ星の列車だけでは感じることのできない九州の魅力を様々なテーマでお届けするプレミアムツアー。
10月14日出発の旅では鹿児島県の奄美大島と霧島を訪れ、美しい自然や豊かな伝統文化を五感で味わう6日間をお届けしました。

ななつ星の旅で奄美を訪れるのは今回が2度目、2018年以来7年ぶりになります。
10月は幾分暑さも和らぎ、島には多くの渡り鳥が飛来する季節。
連日お天気に恵まれ、バスの車窓からは奄美ブルーといわれる美しい海やサトウキビ畑、アダンの木など南国情緒たっぷりの景色を堪能。ナイトツアーではアマミノクロウサギとの出会いに皆さま大興奮。
また、行く先々で奄美の方々の温かいおもてなしをうけました。
島唄やサンシン(三味線)に合わせて“六調“を踊ったり、国直集落ではお母さん達に鶏飯づくりを教わるなど地域の方々との素敵な出逢いもたくさん。
笑い声と笑顔の溢れる賑やかな旅となりました。
旅を終えて今なお心に残るのは、何よりも奄美で受けた優しさに満ちたおもてなしと出会った方々の温かさ。
人との“出逢い”が旅を豊かに 想い出深くすることを心から感じた旅でした。
皆さま、ありがっさまりょうた(ありがとう)

泥染めの工房で弟子に誘われた髙岡クルー
- クルー
- 肥後
12周年への想いを込めて
ななつ星 in 九州は、この秋12周年を迎えることができました。
ここまで歩んでこられたのは、ともに思い出を紡いでくださったお客さまはもちろん、沿線で温かく迎えてくださる地域の皆さま、そして“ななつ星”を形にしてくださった多くの方々のお力添えのおかげです。
心より感謝申し上げます。
12年という長い歩みを振り返ると、出会いと笑顔、そしてたくさんの想いに支えられてきた日々こそが、“ななつ星”の大切な宝物だと感じます。
そんな“ななつ星”でございますが、次の新しい旅の準備も始まっております。
今回は新コース、高千穂コースでご覧いただける天岩戸神社にある七本杉をご紹介します。
東本宮の鳥居をくぐり、石段を上った森の奥に悠然と立ち並ぶ七本の杉。
古くから神話の舞台として知られるこの地にそびえ、根が七本つながっているのが特徴です。
樹齢数百年を超える杉が寄り添う姿は、訪れる人々に清々しい気持ちと静かな感動を与えてくれます。
訪れた際には、その神秘的な雰囲気をぜひ感じてみてください。
そしてこの杉の木のようにこれからも“ななつ星”は皆さまと一緒に力強く、元気に九州の地を歩んでまいります。
12周年を迎えられた感謝を胸に、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

- ツアーデスク
- 笹山
旅の始まりは「お申込み」から…
ようやく朝晩、秋の空気を感じることができるようになった今日このごろですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
9月13日から運行を再開した「ななつ星in九州」、今日も無事博多を出発いたしました。
さて、そんな「ななつ星in九州」ですが、すでにお知らせいたしましたように来春からコースを一新し、そのお申込みを10月1日より受付中です!
新しいコースでは、表情豊かな九州の四季をより深く感じていただける5つのコースをご用意しました。(今回の受付はそのうち3つのコースとなります。)
3月~6月までの「3泊4日高千穂コース」では、ななつ星の通常コースとしては初めて宮崎県「高千穂」を訪問。九州の始まりとその物語をたどる4日間の旅です。
また、7月・8月の「3泊4日雲仙コース」では、現在秋冬コースとして運行中の雲仙コースが、季節・内容を変えてリニューアル。異国人にとって「避暑地」として愛されてきた日本初の国立公園である“雲仙”でのご滞在を存分にお楽しみいただけます。
お申込みの受付は、11月10日(月)までホームページ専用サイトで受付中!3月からの新コース運行開始に向け、クルー・スタッフ一同準備を進めてまいります!
旅の始まりはお申込みいただくことから…皆さまからのお申込みを心よりお待ち申し上げております。
- スタッフ
- 田中ひ
~想いを繋ぐ~
長い運休期間も明け、9月13日(土)より1泊2日の旅がスタートしました。
約3か月ぶりにななつ星の車両を目の当たりにした瞬間、胸が高まる思いでした。
さて、今回の運休期間中は「想いを繋ぐ研修」として、ななつ星の旅を支えてくださる職人の皆さまの想いを伺うため、チームに分かれて九州各地を巡りました。
なかでも私は、「ななつ星久留米絣ルームウェア」の生地を製作してくださっている「下川織物」さまへ足を運んでまいりました。
久留米絣は日本三大絣の1つとされ、糸の段階で染め分けて文様を織りなす先染めの綿織物です。
糸を縛って染め、それを織り上げるなど、工程の数はなんと30以上!!今では約220年の歴史を持つ伝統工芸品として受け継がれています。

(太陽のめぐみを受けながら気持ちよさそうになびいていました)

(100年以上もの間活躍し続けている機械と人の手で紡がれる絣工場は圧巻でした!)
そのような大変貴重な素材を、ななつ星オリジナルのルームウェアとして贅沢に使用させていただいております。
お話の中では、制作秘話や久留米絣に対する熱い想いを学ぶことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。
また、想像以上に手仕事が多いことを知り、心を引かれたと共に、改めてお客さまと職人さまを繋ぐ存在でありたいと思いました。
肌触りやデザインなど細部にまでこだわり、丹精込めて作り上げた「ななつ星久留米絣ルームウェア」は きっと皆さまの心や身体を癒すことでしょう。。。
旅のひとときに寄り添うこの一着が、皆さまの思い出をより深く彩ってくれることを願っております。
- クルー
- 園田