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ななつ星を支える機関車たち

2024.12.07
ななつ星を支える機関車たち

皆さま、今年も早いもので、あと1ヶ月を切りました。
さて今月は…皆さまに少しななつ星の鉄分を補給させていただけたらと思います。

今回ご紹介したいのは、とても頑張り屋さんの『DF200形機関車』(以下DF200)と『DE10形国鉄機関車』(以下DE10)でございます。
この機関車たち…ただ者ではございません。

まずはDF200。
正式には、DF200形7000番台ディーゼル機関車と言います。

この機関車は、JR貨物が1992年から製作した電気式ディーゼル機関車で、北海道を中心に現在も貨物を牽引する機関車に使用されています。
別名『レッドベア』と呼ばれ、北海道の急勾配をたくさんの貨物を牽引して力強く上っていきます。

九州も北海道と同じように急勾配があちらこちらにある為、2013年、川崎重工と東芝の共同開発により、ななつ星専用機関車としてJR九州へ導入されました。

出来立てホヤホヤで試運転している時は、画像の通り黒フィルムを張られた状態でした。
なかなか見ることのできない、かなり貴重な姿です。

DF200は、相棒の77形客車とともに九州を元気いっぱいに駆け巡り、毎週営業運転だけでも、1973.9km(雲仙コース1146.7km+1泊2日コース827.2km)走行しています。
旅を終えて博多駅に到着する際のDF200の姿を見ると、職人が大仕事を終えて帰ってきた時のような顔に見え、いつも『安全に帰ってきてくれてありがとう』と敬意を込めて敬礼しています。

これからは一部ではございますが、機関車についてご紹介していきます。

その①…DF200の知られざるパワーとお助けマンDE10
DF200には、1800馬力のエンジンが2基搭載されております。(計3600馬力)
客車は7両編成で、燃料や水、家具等重たい物をたくさん積んでおり、1両1両がかなり重たい客車となっています。
それでもDF200は、軽々と客車を牽引し、急勾配を上っていきます。

しかしそんなDF200ですが、過去には運行中に故障してしまい、急きょ機関車を変更して運行しないといけないことがありました。
もしDF200が故障した場合、DE10という国鉄型機関車をつないで運行しないといけません。
その名の通り、DE10は国鉄時代である1969年~1973年に製作された機関車です。
現在では、後継車でもあるDD200形も活躍しております。

故障した路線にもよりますが、直ぐにDE10を手配して、現地もしくは近くの車両基地まで回送して、ななつ星の代走機関車として運行を継続します。
この手配がとても大変でして、陰ながらななつ星を支えている社員の皆さまに本当に助けてもらっています。
運行を継続するために、関係する社員全員がチームワークを発揮し、その結果、ななつ星の運行を継続することができております。
このチームワークに感謝の気持ちでいっぱいです。

また、DE10はななつ星に限らず、線路を輸送したり等、陰ながらの黒子機関車であり、実は忙しい引っ張りだこの機関車なのです。
でも、DF200が動けなくなるといち早く急行してくれます。
いろんな場面でのお助けマンのような存在です。

その②…DF200の照明の数
DF200の前面にある照明の数はいくつあるかご存知でしょうか?
実は、DF200及び客車ともに照明の数も7にこだわっています。
客車の縦に連なるオレンジ色のななつ星灯も7個ずつあります。

また、機関車及び客車の1番上に白く光っている照明を「ななつ星灯」といいます。

機会がありましたらぜひ、照明の数を数えてみてください。

その③…と行きたいところですが、お時間が来てしまいました。
続きは、車内でまたはホームでお会いした時にでも(笑)

ななつ星を見かけた際は、ぜひ『行ってらっしゃい』や『お疲れさま』と声をかけてあげてください。
もしかしたら、嬉しい表情になっているかもしれませんね(笑)

これからも「ななつ星in九州」は、皆さまとともに元気いっぱいに九州を駆け巡ります。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

クルー
水上