Train Manager

もしもクルーの胸元に「TM」と書かれた黒いバッジがあれば、それはトレインマネージャーの証です。
トレインマネージャーとは、一言で言えば「ななつ星」車内の最高責任者、運行時の現場における最高責任者です。
私はよくトレインマネージャーの仕事をサッカーの監督に例えます。
常に変化するフィールドを俯瞰的に眺め、状況を読み、最良の采配をすることが求められるからです。
もちろんフィールドとは「ななつ星」であり、最良の采配は皆さまの最高の喜びや最上の楽しみにつながっていると信じて日々乗務をしています。
皆さまからご乗車後に「本当に楽しい旅だった!」、「○〇クルーの対応が素晴らしかった!」などのお言葉を聞くと本当に嬉しく、まるで自分が褒められたかのように喜んでしまうくらいです!
さて、ここだけの話ですが、実は私を含めた3名のトレインマネージャーは、他のクルーと比べて制服や所持品がちょっとだけ違います。
まずは何と言っても鉄道時計。
トレインマネージャーの鉄道時計は他のクルーのものよりひとまわり大きく、文字盤も時間の表示が細かく入っています。
「ななつ星」のロゴも目立つように入っており、そのずっしりとした重みは、「ななつ星」の運行を担う責任者としての重みをしっかりと感じさせてくれます。
数量限定品としてグッズとしても販売されておりますので、ぜひチェックしてみてください!
次に制服です。
先日よりトレインマネージャーの制服には、トレインマネージャーならではのいくつかの刺繍が施されるようになりました。それはどのような刺繍か???
こちらはぜひトレインマネージャーの制服を実際にご覧になって確かめてみてください!
- クルー
- 塩島
ななつ星との出会い

みなさま、初めまして。新入社員の野田です。4月にJR九州に入社しました。
このスタッフコラムを通じてみなさまにお話ができることを光栄に思います。
本日は、ななつ星のことを何も知らない私が、
「ななつ星の列車って、こんなにすごい列車なんだ...‼」と感じたことについてみなさまにお話しできればと思っています。
私がまず初めに衝撃を覚えたのは、初めて実際に列車と出会ったときです。
博多駅の構内で立っていると、めったに見ないロイヤルワインレッドの色をした列車が入ってきたので、かっこいい列車だなぁと眺めていました。
そして列車が横を通り過ぎていこうとした、その時です。列車に、列車を眺めている自分が映っていました。この時は言葉を失うほどの衝撃を覚えました。
私は今までいくつもの列車を見てきましたが、鏡のように映るほどきれいに整備されていて、こんなに感動させられる列車は初めて出会いました。
ここに着任してからは、ななつ星は鏡のような美しさだけではないことも知りました。
「7」のエンブレムや列車の顔部分には「鎚絵(つちえ)」の金属加工が施されており、ロイヤルワインレッドの車体にぴったりとはまっています。
外装だけでなく内装にも、「木下木芸」の一切釘などを使わず木材だけで作られる組子や、ろくろの神様と謳われた「清六窯」の工芸品など、数えきれないほどのこだわりが詰まっている列車です。
ななつ星は走り始めて10年となり、多少の傷などはございますが、まだまだ列車の美しさは保たれていると実感しています。
ななつ星のコンセプトは、「新たな人生にめぐり逢う、旅。」です。これは本当に最適なコンセプトだと感じていて、私自身このななつ星と出会って今までにない新たな人生に巡り合うことができたように感じています。将来は私もななつ星に乗って素晴らしい旅をしたいと思っています。
まずはここで過ごす8月までの短い時間ではありますが、お客さまが最高の旅をしていただけるよう尽力していきます!
- スタッフ
- 野田
日本を代表する民藝

ここ日田・小鹿田の里も鳥のさえずりとともに初夏の訪れを感じる季節となりました。
ななつ星in九州の3泊4日(霧島)コースでお世話になっている小鹿田焼ギャラリーの鹿鳴庵。
庵主の佐藤哲也さんは小鹿田焼の魅力を日本・世界に発信されています。
日本を代表する民藝の一つである小鹿田焼。
私が敬愛する陶芸家、ルーシー・リーの友人であるイギリス人陶芸家バーナード・リーチは柳宗悦らと共に日本の民藝運動を推進しました。
彼は1954年に小鹿田を訪れ「飛び鉋(かんな)」の技法を学んだと言われています。逆に彼はピッチャーの継手のデザインを小鹿田焼の職人に教え、その美しいデザインは今にしっかりと引き継がれています。
飛び鉋の模様
生活に根差した用を追求することで健全な美が備わる民藝。
書家として活動する私は、民藝に触れる度に「美」との向き合い方を考えさせられます。
これからも民藝に出会うために、九州各地に足を運び直接見て感じたいと思います。
小鹿田の里には川が流れ、その水を利用して陶土を挽く唐臼(からうす)の音が響きます。
みなさんも日本の原風景が残る小鹿田の地で素晴らしい民藝に触れてみてはいかがでしょうか。
- スタッフ
- 野村
旅とハプニング

昨年日本で公開されたトム・クルーズ主演『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』はご覧になられましたか?
私はこの連休期間に配信で楽しみました。
映画の中では「オリエント急行」の車内でミッション:インポッシブルには欠かせないアクションシーンが繰り広げられます。
列車のシーンはノルウェーの鉄道路線で、古い客車をオリエント急行のように装飾して撮影されたようです。
ハリウッド映画のスケールの大きさ、トム・クルーズの本物へのこだわりを感じます。
オリエント急行ではありませんが、ヨーロッパの列車には忘れられない思い出があります。
パリからオルレアンへ行くためにフランスのTGVに乗車した際、車掌さんが切符の検札にまわってきました。
切符を見せると、どうやら私たちはオルレアンを通過する列車に乗っていたようで、ずっと南へくだった駅が次の停車駅だと言われました。
フランス語をかろうじて話す1人が知っている限りの「困っている」ことを表現する単語を並べ、周囲で私と仲間数名が英語と身振り手振り、切なる表情でこの窮地をどうしたらよいものか必死に相談しました。
伝わっているのか伝わっていないのかよくわからないまましばらくすると、車掌さんが向こうからウィンクして「こっち」と呼ぶようなジェスチャーで呼ぶではありませんか。
そうです、私たちはなんとオルレアンで降車させてもらうことが出来たのです!
停車するはずのない駅に列車がとまり「外国人」がポツンと降り立つ姿を、去り行く列車の車窓から乗客たちが不思議そうに見つめていたことは言うまでもありません。
もう20年以上前の話ですが、自分たちの行動も列車を停車させてくれたことも本当にありえない出来事だったと思いますが、「車掌」と「車窓」は今も私の脳裏に浮かぶ旅の記憶です。
ところで、ななつ星を舞台に繰り広げられるアンソロジー小説「Seven Stories星が流れた夜の車窓から」を皆さまご存知でしょうか。
7周年のタイミングで発刊された美しい書籍です。
この中の物語にも時にハプニングがあり、その中で旅人は様々な人と心を通わせ、その旅が忘れえぬ旅となっていく過程が描かれています。
「美しい」と表現したのは内容もしかり、その装丁のこだわりにもあります。
最近では外箱のある書籍は少なくなりましたが、ななつ星車内限定で販売している特装版には外箱があり、これも私が「美しい」と思う所以です。
さあ、今日のななつ星の旅ではどんなことが起きているでしょうか。
その日その時、その瞬間は全てがハプニング。
旅を共にする仲間と共に素敵なハプニングを記憶に刻んでいただけていることを私は願っています。
※写真は2018年イギリスBristol Temple Meads Stationにてブリティシュ・プルマンの車両に遭遇した時のもの。駅も車両もかっこいいですね!
- スタッフ
- 小川
博多駅の葉っぱたち

みなさま、こんにちは。
九州は新緑が美しい季節を迎えておりますが、皆さまはどのような自然を感じ、お過ごしでいらっしゃいますか?
博多駅には様々な場所に、自然を感じていただける葉っぱのタイル画がございます。
このタイル画は、日本画家・千住博氏とデザイナー・水戸岡鋭治氏、そして世界中からご応募いただいた絵とのコラボレーションでできています。
有田焼の陶板に絵を焼付け、皆さまが行き交う空間を大パノラマの「アートの森」に創り上げました。
ラウンジ金星からななつ星へ向かう途中にも、このタイル画がございます。
私も最近知ったのですが、この場所のタイル画、さまざまに散らばった枝の葉っぱたちが、ある場所から見ると大きな木に見えるのです。
博多駅にいらした際にはぜひ探してみてください。
- ツアーデスク
- 上三垣
源泉

「ななつ星in九州」は古き良き日本の風景や文化が息づく地域を訪れていく。
旅の道中で「心の故郷への帰還」のようなものだ。
昨年、新緑と初夏の風が心地よい季節に、母の古希祝いで初めて別府に泊まった。
別府といえば、湯けむりが立ち込める温泉地。
たえず湧き出す源泉、その地に身を置くと、まるで時間がゆっくりと流れるかのような感覚に包まれる。
自然の恵みがあり、心身ともにリフレッシュされることを実感した。
波の流れも、高崎山も鶴見岳も別府の湯けむりも、昔のまま 長年連れ添った家族のように映る。
そして、母にはまだまだ元気でいてもらおうとあらためて思った。
同時に、お客さまにも同じように故郷を感じてほしいという思いが湧いてきた。
別府の温泉の源泉のように、私たちの心にも源泉がある。
それは故郷や思い出、そして人々との絆だ。
心に秘めた源泉を感じながら、この源泉から得た活力を大切にし、同じように周りの人々にも故郷の温かさや魅力を伝えていきたい。
- スタッフ
- 竹中
気持ち新たに…

花の便りに心躍る季節となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
新年度を迎え、福岡市内は桜が満開になり、春らしい季節を感じられるようになってきました。
2024年度初運行日であった4月2日(火)、博多駅ホームへななつ星のお見送りに行ったところ、たくさんのお客さまがななつ星を見に来てくださっていました。
ななつ星の出発時間に合わせてホームに足を運んでくださった方々をはじめ、春休み中の子どもたち、たまたま博多駅に立ち寄った旅行中の方々と、多くの皆さまがななつ星を見送り、一緒に手を振ってくださいました。
ななつ星が2024年度を無事に迎え、変わりなく運行させていただいているのも、支えてくださる皆さまのお陰です。
多くの皆さまに支えられながら、クルー・スタッフ一同気持ちも新たに、ななつ星を通して九州の魅力を発信し続けてまいります。
2024年度も応援よろしくお願いいたします!
- スタッフ
- 河﨑
gaze at the starry sky

「ピアノが奏でる華やかな音楽と
色鮮やかなカクテルに囲まれたバータイムが終わった深夜。
お客さまも楽しかった一日を終えてお休みになられ
閑静なひと時がななつ星に訪れます。
その間、ななつ星はいくつかの駅に停車しますが、私はこの深夜の駅が好きです」
これは私が2021年9月17日に書いたコラムの一節ですが、
今でもその想いは変わらず、気が付くと誰もいないホームにそっと足をおろしていることがあります。
一日の喧騒が終わり静まり返ったホーム。
ななつ星DF200の低いエンジン音だけがそっと夜に響きます。
ふと空を見上げると、そこには満天の星。
まるで皆さまの幸せやよろこびを暗示しているかのように
ななつ星を優しく包み込みます。
星と星の饗宴。
眠れない夜にはぜひ。
- クルー
- 塩島
新しい仲間

いつも「ななつ星in九州」を応援頂きありがとうございます。
朝晩の冷え込みも和らいできて、日中は暖かい日も多くなりはじめ、すぐそこまで春がやってきているのを感じます。
今年も「ななつ星」の車窓から、九州各地の綺麗な春の景色を見るのが楽しみです。
春といえば、入学や就職といった「新たな出会い」の季節でもありますね。
新たな出会いといえば、「ななつ星」にこの度2月1日付で社内から2名、3月1日付で社外から2名、計4名の新しい仲間「14期生」が加わりました。
これから、列車の運行には欠かせない「安全」に関すること、お客さまに「ななつ星」での旅をお楽しみいただくための「サービス」に関することなど、「ななつ星」への熱い想いを胸に、立派に独り立ちして「ななつ星」の車内でお客さまをお迎えする日を目指して研修に臨みます。私たち先輩クルーも、全力でサポートしてまいります。
博多駅のホームや「ななつ星in九州」の車内で「14期生」を見かけましたら、温かいお声かけと応援をよろしくお願いします。
現在受付中の雲仙コースが走り出すころには、逞しい姿を見せてくれていることでしょう。皆さまも是非、逢いにお越しください。
(左から早田クルー、大西クルー、笹山クルー、上田クルー)
- クルー
- 深田
ななつ星同窓会

「ななつ星in九州」が誕生して10周年を迎えた記念として、先日2月29日(木)に東京で「ななつ星」同窓会を開催致しました。
500名を超えるお客さまに参加していただき、お客さまとの再会にクルー・スタッフ一同、心温まる時間を過ごさせていただきました。
「ななつ星」同窓会はこれまで2015年、2017年と開催し、2020年にも運行7周年を記念して第3回同窓会を開催する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期となり、この度ようやく第3回目を開催することができました。
2017年以来の同窓会ということもあり、お客さま同士もななつ星の思い出話に花が咲き、あっという間の3時間でした。
私がクルーとして乗務開始したのが2018年のため、「ななつ星」同窓会に参加するのは今回が初めてでした。
初めての同窓会で緊張や不安も大きかったのですが、いざ始まるとお客さまとの久々の再会に話が止まらず、本当に楽しい時間でした。
また私は今回の同窓会の開催にあたり、クルーのプロフィールを記載したボードの作成や、いつも運行を支えていただいている地域の皆さまのメッセージ動画の撮影など、準備段階から携わらせていただいたので、私自身にとっても忘れられない同窓会となりました。
今回の同窓会では、お客さまが「ななつ星」の旅で撮影した写真を事前に募集し、会場内のスライドで紹介する企画も設けました。
お客さま各々それぞれに思い出深いエピソードがあり、笑いあり、涙ありの素敵な写真ばかりで、改めてたくさんのお客さまに愛されている列車であると実感し、この想いに応えていけるようにこれからも精進していきたいと思った同窓会でした。
これからも「ななつ星」をどうぞよろしくお願いいたします。
- クルー
- 田中(維)