日本の原風景を感じるお宿「忘れの里 雅叙苑」

いつもスタッフブログをご覧くださり、ありがとうございます。
梅雨の晴れ間の青空は、すっかり夏色になりました。
今年の夏も厳しい暑さになるという予想です。どうぞご自愛くださいませ。
本日皆さまにご紹介させていただきたいのは3泊4日霧島コースの宿泊施設の1つ、「忘れの里 雅叙苑」です。
天降川沿いにひっそりと佇む、全8部屋の茅葺屋根が特徴のお宿。
雄大な自然を感じ、敷地内に一歩足を踏み入れると、たちまちタイムスリップしたようなそんな懐かしい気持ちになります。
運行当初から「ななつ星㏌九州」の運行を支えてくださっている田島女将。
「ななつ星」の宿に選ばれた時には、嬉しくて、皆で一丸となってどうやって「お客さまをお迎えできるか」を必死に考え、その想いを今も大切にしてくださっています。
田島女将をはじめ、スタッフの方々の温かく心地よい距離感、そして非日常を感じることのできる素晴らしいお宿です。
お食事は、自家菜園で採れたばかりの新鮮な野菜や直営の養鶏場で育てた地鶏など、その土地で採れた食材の良さが引き出されたこだわりの薩摩の郷土料理で「お腹いっぱい食べて欲しい」、女将のそんな想いがこもった心にも染みわたるお食事です。
ここでしか味わえない地鶏の刺身
お野菜のしっかりとした歯ごたえと味
温泉は、古くから自然に湧き出している自噴泉で、二酸化炭素ガスによって血の巡りを活性化し、肌に柔らかく、肩の力と身体の疲れが「す~っ」と抜けていきます。
日常の喧騒から離れた里で、癒しのひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
- ツアーデスク
- 村瀬
星、みつけた

いよいよ夏本番。
日に日に暑さを増す今日この頃ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
私は「雨男」でして、楽しみにしている旅行ほど雨の日が多いのですが、皆さまも旅が近づくと1日に何度も天気予報をチェックすることもあるかと存じます。
複数の予報を見比べて、良い予報だけを信じるのは私だけではないですよね(笑)。
ななつ星で様々な場所・時間の車窓を眺めてみると、雨の日こそ最高の景色が見えてくると感じる時があります。
細かな無数の雨粒がテーブルランプの灯りを乱反射させ、見える光景にはさながら「シャンパングラスの中を泳いでいる」かのような恍惚にとり憑かれます。
こちらの写真は、雨上がりに明け方の「美々津(みみつ)駅」で撮影したななつ星の車体です。
車体の雨粒をホームの照明が照らし現れるスペクトラムに、天の川にも見紛う幻想を感じて思わず写真を撮ってしまいました。
さて、本日7月7日は織姫と彦星にとって1年に1度だけの、大切なパートナーと過ごすことのできる特別な日。
そんな特別な日に、皆さまはどのような願いを思い浮かべるでしょうか。
私たちの願いはただひとつ。
「皆さまのななつ星で過ごすときが、“新たな人生にめぐりあう、旅。” の大切なひとときとなりますように。」
- クルー
- 髙岡
阿蘇駅の隠れ家

みなさま、こんにちは。
突然ですが、阿蘇駅に足を運ばれたことはありますか。
駅舎を出ると、目前に阿蘇山を眺めることができ、周辺には道の駅もあります。
そんな阿蘇駅の改札とは反対側のホームに、「火星」というななつ星のお客さま専用レストランがあります。
入り口までの通路は石畳になっており、両側には木々や草花が植えられています。
九州各地の景勝地と同様にこの火星でも四季折々の風景を楽しむことができます。
このレストラン「火星」は、現在3泊4日霧島コースの4日目昼食時、ご乗車のお客さまにお立ち寄りいただいております。
レストラン「火星」では、阿蘇にあるオーガニックレストラン「olmo coppia(オルモコッピア)」の竹原シェフがお料理を提供してくださいます。
私も実際にいただいたことがありますが、素材の味を生かした優しい味付けが印象的で、シェフの想いが詰まった料理であると感じました。
また「火星」は、ななつ星のデザイナーである水戸岡鋭治先生が手がけた建物であるため、外観やインテリアもななつ星の世界観を取り入れたデザインとなっています。
ななつ星の旅では景色を見たり、料理を食べたりする体験が数多くありますが、この「火星」ひとつでも、木の温もりや料理、阿蘇山の景色など五感を使って感じられるものがあります。
お立ち寄りの際はぜひ、心と身体で自然を感じてみてください。
この「火星」のように、ななつ星の旅には九州の自然の恵みと、それを守り魅力を伝える人達の思いが掛け合わされて生まれるストーリーが数多く秘められています。
旅の中で、ありのままの自分で居られる時間や自分の心と向き合う時間を過ごしていただきたいと思います。
私たちスタッフは、お客さまが旅から戻られた際の笑顔やご感想からいつも元気をもらっております。
現在はななつ星は運休期間に入っていますが、再びお客さまとお会いできる日を楽しみにしております。
- スタッフ
- 山中
宮崎県限定 YAHAZU PILSNER(ヤハズピルスナー)

沿線では紫陽花が一層鮮やかに咲き誇っています。
九州では25度を超える暑い日が続いておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
本日はこれからの季節にぴったりな飲み物をご紹介します。
それはこちらのビールです。
「YAHAZU PILSNER」という名前のこのビールは、宮崎県内の限られた飲食店でしか提供されていない希少なビールです。
まずはビールのご紹介から。
ピルスナーという製法は、ドイツのお隣チェコのボヘミア地方にあるピルゼンという町の名前からつけられたと言われています。
その特徴はというと、黄金色の見た目と味わいはホップ由来の香りとほのかな苦味で、とてもスッキリとしたタイプのビールです。
その飲みやすさから、日本の大手ビールメーカーでも広く採用されている製法です。
「YAHAZU」には3つのこだわりがあります。
①ビール醸造に適した仕込み水
宮崎県北部行縢(むかばき)山より流れ出る矢筈(やはず)の滝の地下湧水を使用。
②地元産のオーダーメイド大麦
大麦は宮崎県内の契約農家に依頼し、「YAHAZU」専用にオーダーメイド。
③薫り香る麦芽製法
「YAHAZU」に使用する麦芽は、全て自社工場で一回の仕込みに必要な量だけを製麦。
前述のとおり、このビールは宮崎県内の飲食店限定で卸売されていることから、ななつ星の車内でも提供シーンがかなり限られております。
◼︎1泊2日
2日目 0:13(財部駅通過後)~8:28(市棚駅停車中まで)
◼︎3泊4日 霧島コース
3日目 11:08(京町温泉駅通過後)~22:31(市棚駅通過まで)
お楽しみ中であっても、宮崎県を出てしまうと残念ながら没収させていただきます。(笑)
ぜひ、宮崎県内走行中においしいビールをお楽しみください!
ご乗車の際は、車内での特別なひと時をビール片手に楽しんでみてはいかがでしょうか。
- クルー
- 奥村
Train Manager

もしもクルーの胸元に「TM」と書かれた黒いバッジがあれば、それはトレインマネージャーの証です。
トレインマネージャーとは、一言で言えば「ななつ星」車内の最高責任者、運行時の現場における最高責任者です。
私はよくトレインマネージャーの仕事をサッカーの監督に例えます。
常に変化するフィールドを俯瞰的に眺め、状況を読み、最良の采配をすることが求められるからです。
もちろんフィールドとは「ななつ星」であり、最良の采配は皆さまの最高の喜びや最上の楽しみにつながっていると信じて日々乗務をしています。
皆さまからご乗車後に「本当に楽しい旅だった!」、「○〇クルーの対応が素晴らしかった!」などのお言葉を聞くと本当に嬉しく、まるで自分が褒められたかのように喜んでしまうくらいです!
さて、ここだけの話ですが、実は私を含めた3名のトレインマネージャーは、他のクルーと比べて制服や所持品がちょっとだけ違います。
まずは何と言っても鉄道時計。
トレインマネージャーの鉄道時計は他のクルーのものよりひとまわり大きく、文字盤も時間の表示が細かく入っています。
「ななつ星」のロゴも目立つように入っており、そのずっしりとした重みは、「ななつ星」の運行を担う責任者としての重みをしっかりと感じさせてくれます。
数量限定品としてグッズとしても販売されておりますので、ぜひチェックしてみてください!
次に制服です。
先日よりトレインマネージャーの制服には、トレインマネージャーならではのいくつかの刺繍が施されるようになりました。それはどのような刺繍か???
こちらはぜひトレインマネージャーの制服を実際にご覧になって確かめてみてください!
- クルー
- 塩島
ななつ星との出会い

みなさま、初めまして。新入社員の野田です。4月にJR九州に入社しました。
このスタッフコラムを通じてみなさまにお話ができることを光栄に思います。
本日は、ななつ星のことを何も知らない私が、
「ななつ星の列車って、こんなにすごい列車なんだ...‼」と感じたことについてみなさまにお話しできればと思っています。
私がまず初めに衝撃を覚えたのは、初めて実際に列車と出会ったときです。
博多駅の構内で立っていると、めったに見ないロイヤルワインレッドの色をした列車が入ってきたので、かっこいい列車だなぁと眺めていました。
そして列車が横を通り過ぎていこうとした、その時です。列車に、列車を眺めている自分が映っていました。この時は言葉を失うほどの衝撃を覚えました。
私は今までいくつもの列車を見てきましたが、鏡のように映るほどきれいに整備されていて、こんなに感動させられる列車は初めて出会いました。
ここに着任してからは、ななつ星は鏡のような美しさだけではないことも知りました。
「7」のエンブレムや列車の顔部分には「鎚絵(つちえ)」の金属加工が施されており、ロイヤルワインレッドの車体にぴったりとはまっています。
外装だけでなく内装にも、「木下木芸」の一切釘などを使わず木材だけで作られる組子や、ろくろの神様と謳われた「清六窯」の工芸品など、数えきれないほどのこだわりが詰まっている列車です。
ななつ星は走り始めて10年となり、多少の傷などはございますが、まだまだ列車の美しさは保たれていると実感しています。
ななつ星のコンセプトは、「新たな人生にめぐり逢う、旅。」です。これは本当に最適なコンセプトだと感じていて、私自身このななつ星と出会って今までにない新たな人生に巡り合うことができたように感じています。将来は私もななつ星に乗って素晴らしい旅をしたいと思っています。
まずはここで過ごす8月までの短い時間ではありますが、お客さまが最高の旅をしていただけるよう尽力していきます!
- スタッフ
- 野田
日本を代表する民藝

ここ日田・小鹿田の里も鳥のさえずりとともに初夏の訪れを感じる季節となりました。
ななつ星in九州の3泊4日(霧島)コースでお世話になっている小鹿田焼ギャラリーの鹿鳴庵。
庵主の佐藤哲也さんは小鹿田焼の魅力を日本・世界に発信されています。
日本を代表する民藝の一つである小鹿田焼。
私が敬愛する陶芸家、ルーシー・リーの友人であるイギリス人陶芸家バーナード・リーチは柳宗悦らと共に日本の民藝運動を推進しました。
彼は1954年に小鹿田を訪れ「飛び鉋(かんな)」の技法を学んだと言われています。逆に彼はピッチャーの継手のデザインを小鹿田焼の職人に教え、その美しいデザインは今にしっかりと引き継がれています。
飛び鉋の模様
生活に根差した用を追求することで健全な美が備わる民藝。
書家として活動する私は、民藝に触れる度に「美」との向き合い方を考えさせられます。
これからも民藝に出会うために、九州各地に足を運び直接見て感じたいと思います。
小鹿田の里には川が流れ、その水を利用して陶土を挽く唐臼(からうす)の音が響きます。
みなさんも日本の原風景が残る小鹿田の地で素晴らしい民藝に触れてみてはいかがでしょうか。
- スタッフ
- 野村
旅とハプニング

昨年日本で公開されたトム・クルーズ主演『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』はご覧になられましたか?
私はこの連休期間に配信で楽しみました。
映画の中では「オリエント急行」の車内でミッション:インポッシブルには欠かせないアクションシーンが繰り広げられます。
列車のシーンはノルウェーの鉄道路線で、古い客車をオリエント急行のように装飾して撮影されたようです。
ハリウッド映画のスケールの大きさ、トム・クルーズの本物へのこだわりを感じます。
オリエント急行ではありませんが、ヨーロッパの列車には忘れられない思い出があります。
パリからオルレアンへ行くためにフランスのTGVに乗車した際、車掌さんが切符の検札にまわってきました。
切符を見せると、どうやら私たちはオルレアンを通過する列車に乗っていたようで、ずっと南へくだった駅が次の停車駅だと言われました。
フランス語をかろうじて話す1人が知っている限りの「困っている」ことを表現する単語を並べ、周囲で私と仲間数名が英語と身振り手振り、切なる表情でこの窮地をどうしたらよいものか必死に相談しました。
伝わっているのか伝わっていないのかよくわからないまましばらくすると、車掌さんが向こうからウィンクして「こっち」と呼ぶようなジェスチャーで呼ぶではありませんか。
そうです、私たちはなんとオルレアンで降車させてもらうことが出来たのです!
停車するはずのない駅に列車がとまり「外国人」がポツンと降り立つ姿を、去り行く列車の車窓から乗客たちが不思議そうに見つめていたことは言うまでもありません。
もう20年以上前の話ですが、自分たちの行動も列車を停車させてくれたことも本当にありえない出来事だったと思いますが、「車掌」と「車窓」は今も私の脳裏に浮かぶ旅の記憶です。
ところで、ななつ星を舞台に繰り広げられるアンソロジー小説「Seven Stories星が流れた夜の車窓から」を皆さまご存知でしょうか。
7周年のタイミングで発刊された美しい書籍です。
この中の物語にも時にハプニングがあり、その中で旅人は様々な人と心を通わせ、その旅が忘れえぬ旅となっていく過程が描かれています。
「美しい」と表現したのは内容もしかり、その装丁のこだわりにもあります。
最近では外箱のある書籍は少なくなりましたが、ななつ星車内限定で販売している特装版には外箱があり、これも私が「美しい」と思う所以です。
さあ、今日のななつ星の旅ではどんなことが起きているでしょうか。
その日その時、その瞬間は全てがハプニング。
旅を共にする仲間と共に素敵なハプニングを記憶に刻んでいただけていることを私は願っています。
※写真は2018年イギリスBristol Temple Meads Stationにてブリティシュ・プルマンの車両に遭遇した時のもの。駅も車両もかっこいいですね!
- スタッフ
- 小川
博多駅の葉っぱたち

みなさま、こんにちは。
九州は新緑が美しい季節を迎えておりますが、皆さまはどのような自然を感じ、お過ごしでいらっしゃいますか?
博多駅には様々な場所に、自然を感じていただける葉っぱのタイル画がございます。
このタイル画は、日本画家・千住博氏とデザイナー・水戸岡鋭治氏、そして世界中からご応募いただいた絵とのコラボレーションでできています。
有田焼の陶板に絵を焼付け、皆さまが行き交う空間を大パノラマの「アートの森」に創り上げました。
ラウンジ金星からななつ星へ向かう途中にも、このタイル画がございます。
私も最近知ったのですが、この場所のタイル画、さまざまに散らばった枝の葉っぱたちが、ある場所から見ると大きな木に見えるのです。
博多駅にいらした際にはぜひ探してみてください。
- ツアーデスク
- 上三垣
源泉

「ななつ星in九州」は古き良き日本の風景や文化が息づく地域を訪れていく。
旅の道中で「心の故郷への帰還」のようなものだ。
昨年、新緑と初夏の風が心地よい季節に、母の古希祝いで初めて別府に泊まった。
別府といえば、湯けむりが立ち込める温泉地。
たえず湧き出す源泉、その地に身を置くと、まるで時間がゆっくりと流れるかのような感覚に包まれる。
自然の恵みがあり、心身ともにリフレッシュされることを実感した。
波の流れも、高崎山も鶴見岳も別府の湯けむりも、昔のまま 長年連れ添った家族のように映る。
そして、母にはまだまだ元気でいてもらおうとあらためて思った。
同時に、お客さまにも同じように故郷を感じてほしいという思いが湧いてきた。
別府の温泉の源泉のように、私たちの心にも源泉がある。
それは故郷や思い出、そして人々との絆だ。
心に秘めた源泉を感じながら、この源泉から得た活力を大切にし、同じように周りの人々にも故郷の温かさや魅力を伝えていきたい。
- スタッフ
- 竹中