黒子

やっと夏が終わり、ようやく秋が訪れたと思っていたら、地域によっては冬の到来さえも感じられる日もでてきました。
さて、現在ななつ星の3泊4日コースは「雲仙コース」にて運行しておりますが、皆さまご存じでしょうか。
10月から来年1月までの間、一部の区間で真っ黒な機関車がななつ星の最後尾に連結していることを。
実はご旅行初日、久大本線を通り大分駅に到着した後、ななつ星の最後尾に「DE10」という車種の機関車を連結させます。
そして夜間から早朝にかけて豊肥本線をななつ星と一緒に運転し、途中の宮地駅で切り離しを行っています。
これは豊肥本線の急勾配を上る際、車輪が空転(からまわり)することを防ぐために「プッシュプル」という運転をしているからです。
DE10機関車が客車を後ろから押し(Push)、ななつ星機関車が先頭で客車を引っ張る(Pull)するという運転方法です。
運転士の操作も通常の運転とは異なり、ななつ星運転士とDE10の運転士が無線機で連絡を取り合い、速度の調整など2人の運転士が息を合わせながら運転しています。
DE10機関車は大分駅発車間際の夜間に連結し、お客さまがお休みになられている早朝に切り離しを行い、役目を終えてヒッソリと帰路についているため、DE10機関車の存在に気づいていないお客さまが殆どかと思われます。
ななつ星の旅を開始した高揚感がとまらないお客さま、ディナーで美味しい料理に心もお腹も満たされたお客さま、ブルームーンタイムでお気に入りのドリンクと落ち着いた車内に酔いしれたお客さま、みなさまが安心してお休みいただき、お目覚めになられた際は、阿蘇駅で雄大な阿蘇山をご覧いただけるよう、黒子に徹したDE10機関車はななつ星の後ろから旅のお手伝いをいたします。
(朝焼けの阿蘇駅と雄大な阿蘇山)
- スタッフ
- 宮元