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深夜のななつ星

2021.09.17
深夜のななつ星

ピアノが奏でる華やかな音楽と、

色鮮やかなカクテルに囲まれたバータイムが終わった深夜。

お客さまも楽しかった一日を終えてお休みになられ、

閑静なひと時がななつ星に訪れます。

 

その間、ななつ星はいくつかの駅に停車しますが、私はこの深夜の駅が好きです。

一日の営業を終え静まり切ったホーム。普段多くの人で賑わうホームとは違い、

なかなか味わうことのない不思議な感覚に包まれます。

 

そういえば数十年前学生の頃、東ヨーロッパを周った鉄道の旅の際にも、

深夜の駅に停まる度にカーテンを少しだけ開いて

駅の様子を眺めていたことを思い出します。

国境警備隊や駅の売店の準備をする人々、深夜にもかかわらず大きな荷物を抱えて

ベンチに座っている家族など、まるで自分が何かから切り離されて

そこにポツンと存在するような、しかしなぜかドキドキする不思議な高揚感を、

今でもはっきりと覚えています。

 

もしななつ星で眠れないときは、

駅に停車したらカーテンをそっと少しだけ開いてみてください。

誰もいないホームもなかなか良いものですよ。

クルー
塩島