雲 仙
コース
九州の豊かな大地と水の恵みに触れ、
自然とともに生きる人々に出逢う旅。

九州の自然、そして豊かな水とそこに生きる人々との物語をたどる四日間の旅です。伝統的な藍染と織の技法をいまも受け継ぐ福岡の「久留米絣」、千年以上守られてきた世界農業遺産・阿蘇の草原、そして異国人も避暑地として愛した日本初の国立公園・雲仙でのひととき。大分県国東では、約1300年の歴史を持つ「六郷満山」の代表的な寺院・両子寺に訪れます。九州の自然がもたらした水の恵みを肌で感じる、心豊かで感動的な旅をお楽しみください。
※行程は変更となる場合があります。

旅のみどころ

1日目 九州の豊かな水が育んだ伝統技術に触れる

最初の目的地は、久大本線から望める福岡県筑後地方の耳納北麓。豊かな自然に囲まれた久留米絣の工房「藍生庵」では伝統的な技法にこだわった藍染と織りに触れ、車内ではサステナブルな久留米絣の魅力を伝える古賀円氏によるお話の時間など、九州の自然が生んだ工芸品の魅力を存分にお楽しみいただけます。

藍生庵

久留米絣は、220年以上の歴史を持つ福岡県筑後地方の伝統的な織物で、国の重要無形文化財に指定されています。1870年創業の「藍生庵(らんせいあん)」は、福岡県久留米市田主丸町にある久留米絣(かすり)の工房です。松枝家が7代にわたり芸術的な創作と、デザインから織りまで30工程に及ぶ一貫した手仕事の技を継承しています。耳納北麓(みのうほくろく)の自然に抱かれ、創造性、詩情性豊かなデザインが特徴です。この地域の清らかな水と、化学染料に頼らない発酵による日本古来の技法によって、深い藍の美しさを引き出します。ぜひ、この卓越した伝統の技とモノづくりへの深い想いをご体感ください。
(エクスカーション)

古賀円氏による久留米絣のお話

久留米絣の魅力を伝えることに情熱を注ぎ、ななつ星のルームウェア製作にも携わったデザイナー・古賀円さんをお迎えし、この土地で長年育まれてきた久留米絣の歴史と、その奥深い魅力についてお話しいただきます。
近年、持続可能なデザインの観点からも注目されている久留米絣は、伝統の価値と未来へのつながりを感じさせる、日本を代表する工芸品のひとつです。職人の心意気と高度な技術、そして久留米絣に宿る日本文化の粋を感じていただけるひとときとなるでしょう。
(車内ワークショップ)

2日目 九州の雄大な自然の恵みを体感する時間

2日目は豊肥本線を通り、絶景の阿蘇カルデラをお楽しみいただきながら阿蘇駅へ。レストラン「火星」でのご朝食後、外輪山へと赴き、世界農業遺産である千年以上続く草原維持の歴史に触れるとともに阿蘇が生み出す豊富な水の魅力を大草原に囲まれながらご体感いただきます。
その後フェリーで島原湾を渡り、九州を代表するもう一つの火山・雲仙へ。魅力的な庭園と落ち着いた離れが心癒す「旅亭 半水盧」では雲仙温泉をご堪能いただけます。

阿蘇外輪山

阿蘇の火山活動によって形成された「カルデラ」の外縁部分で、南北約25㎞、東西約18㎞にも及ぶ外輪山は、世界でも有数の規模を誇ります。見どころは、外輪山を中心に広がる、日本一の広さを誇る草原です。一見自然に思える光景は、約千年にわたり、人々の手によって維持されてきたもので、世界農業遺産にも認定されています。千年以上続く悠久の人の営みに思いをはせながら、360度広がる草原空間でゆったりとした時間をお過ごしください。
(エクスカーション)

旅亭 半水盧(はんずいりょ)

緑に囲まれた5,000坪の庭園と離れで過ごす贅を尽くした旅館です。心を癒す日本庭園、趣を感じる和室、そして雲仙温泉の露天風呂を楽しめ、真のやすらぎを提供するお宿です。季節ごとに情景が変わるプライベート空間の中で至福の時間へと誘います。
https://hanzuiryo.jp

仁田峠

標高約1,100メートルの涼やかな風が吹き抜ける仁田峠。ここからは、火山活動が生んだ、世界で最も新しい山のひとつである平成新山と、雲仙を象徴する普賢岳の荘厳な姿を望めます。この旅では特別に、夜の仁田峠へご案内いたします。満天の星と眼下に広がる島原湾、対岸の熊本の夜景が織りなす、雲仙ならではの「星涼し」のひとときを心ゆくまでお楽しみください。
(ご希望のお客さま)
※天候その他の理由により、変更、または中止になる場合があります。

3日目 早朝の雲仙で味わう、心豊かな贅沢なひととき

3日目は、雲仙の静寂な朝に包まれながら、自然豊かな風景の中で過ごすアクティビティにご案内いたします。かつて外国人避暑地として栄えたこの地は、どこか平和で優雅な時間が流れ、心の奥底に深い安らぎと豊かさをもたらします。複数のプランの中から気ままにお選びいただき湖畔でのひとときをお楽しみください。
ななつ星にご乗車後は有明海を望みながら一路門司港駅へ。ノスタルジックな夜の駅舎をご覧いただけます。

白雲の池

温泉街からほど近い、標高700mに静かに佇む白雲の池。明治から昭和初期にかけて多くの外国人避暑客で賑わったこの地は、豊かな森に囲まれ、水面には普賢岳や平成新山の雄大な姿が映し出されます。訪れる人々の心を和ませてきた歴史ある雲仙の自然の中で、心ゆくまで「雲仙時間」をお楽しみください。パックラフトやハンモックでの癒しの時間、湖畔での水彩画、天幕でのお茶会など、思い思いの時間をお過ごしいただけます。
(ご希望のお客さま)
※天候その他の理由により、変更、または中止になる場合があります。

門司港駅

門司港駅の駅舎は1914年に建築され、大正時代の姿を忠実に復元されたネオ・ルネッサンス様式が特徴的です。さらに、日本で初めて国の重要文化財に指定された現役の駅舎で、レトロな美しさと歴史が融合した場所です。夜の散策は幻想的で、まるでタイムスリップしたかのような気分をお楽しみいただけます。
(自由散策)

4日目 自然の恵みと神秘に包まれる、心静かな旅の締めくくり

最終日の朝には、豊かな水と自然の力に育まれた上質なお米を使ったおにぎりをご堪能いただきます。シンプルながらも湯気まで美味しく、自然の恵みと匠の技が織りなす逸品です。その後、六郷満山「両子寺」を訪問し、宇佐・国東の独特の文化「神仏習合」に触れていただきます。ときに「鬼」とも称される神々に出逢い、古の祈りと伝統が息づくこの地で、心を整え、旅を振り返る静かな時間をお過ごしください。

両子寺

両子寺は大分県国東市にある天台宗の寺院で、国東半島の中央に位置します。約1300年前に仁聞菩薩が開創したと伝えられ、神仏習合という独特の信仰のもと、六郷満山文化の中心となりました。その山門には国東半島最大級の石造仁王像が立ち、境内の森は神秘的な空気に満ちています。夏でも涼しさを感じられる境内は「森林浴の森日本100選」にも選定されるほど自然豊かな場所。国東の自然と文化に触れながら、四日間の旅を振り返るひとときをお過ごしください。
(エクスカーション)

森を想うアロマスプレー制作体験

大分県中津市で森づくりを行う久恒山林株式会社が手掛けるブランド「六月 八日」。森林資源と里山の恵みを生かし天然自然・有機無農薬・大分の農産物に こだわった100%自然由来の香りは、森林の守り人の想いと共に心を穏やかにしてくれます。生命力あふれる森をイメージしながら、オリジナルブレンドのアロマスプレー制作体験をお楽しみください。アイピローと共にご自宅にお持ち帰りいただけます。
(車内ワークショップ) 

行程表

運行時刻・ルート

上記時刻は2026年3月中旬頃からの時刻です。※2025年10月1日現在

運行日

お料理

九州の豊かな彩りを味わう、
3泊4日の料理。

こだわりの農家の皆さまに愛情込めて育てられた四季折々の食材を、九州各地の腕利きシェフ自らが手間ひまかけて調理いたします。
和食、フレンチ、郷土料理、イタリアンなど、贅を尽くしたお料理をお楽しみください。

1日目

  • やま中

    1972年(昭和47年)創業以来、“博多前”寿司の名店として、全国の食通が通い込む「やま中」。「ななつ星」の車内では、玄海灘をはじめとする近海物の魚介類と、磨きぬかれた料理人の腕による握りたてのお寿司で、贅沢な時間と空間をご提供いたします。(昼食)

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  • M.Miura

    大分県杵築市の静かな海辺に佇み、25周年を迎える南仏風のフレンチレストラン。国東半島の漁港近くという立地を活かし、新鮮な魚介類と地元の希少な野菜等を使った季節感あふれる創作フレンチを提供。フランス料理の技法をベースに、シェフが旅先で出会った料理から着想を得た独自の一皿は、まるで世界を旅するよう。常に進化し続けている創作フレンチをお楽しみください。(夕食)

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2日目

  • olmo coppia(オルモコッピア)

    阿蘇駅の近くにある、築160年の蔵を改装した、あたたかく、心にも身体にも優しいお料理が定評のオーガニックレストラン。「ななつ星」では、阿蘇駅のレストラン「火星」で、自家菜園野菜と南阿蘇から届く露地栽培の無農薬野菜を中心に、オーガニックの材料を使った安全で心温まる手作り料理を提供していただきます。(朝食)

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  • レストラン MIMAKI

    熊本市中央区上林町にある洋食店レストランMIMAKI。熊本の洋食界の名店であり、ミシュラン一つ星を獲得した「洋食の店橋本」で修行されたシェフが独立開業したお店で、その伝統を受け継ぎながらも、MIMAKIならではの味が楽しめると評判です。料理は熊本の豊かな自然が育んだ旬の食材を活かし、「熊本の四季」や「シェフの物語」として表現。昔ながらの技術を活かし、多くの方に愛される欧風カレーはどこか懐かしく、心温まる味。心安らぐ洋食をお楽しみください。(昼食)

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3日目

  • ななつ星料理長

    九州は魅力ある素晴らしい食材の宝庫です。「お客さまと素晴らしい食材を育む生産者様とを繋ぐ架け橋でありたい」その想いを胸に、ななつ星料理長自ら九州各地を訪ね、食材から調味料に至るまで厳選しております。ななつ星の車内でしか味わえない九州の粋をどうぞお楽しみください。(昼食)

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  • MAISON LAFITE(メゾン ラフィット)

    福岡県那珂川市の里山に佇む、隠れ家フレンチレストラン メゾン ラフィット。シェフは、幼少期から自然豊かな環境の中で育ち、その経験を生かして里山の恵みを活用したフレンチ料理に情熱を注いでいます。地元の山菜や川魚などの食材の奥深さに魅了され、土地の記憶と自然の恵みを料理に込めることを信条としております。この思いを込めて、「ななつ星」にて提供する最後の夕食では、ひとつひとつの料理を丁寧に仕上げ、里山の風味と自然の恵みを存分にお楽しみいただけるよう心を込めてご用意いたします。(夕食)

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4日目

  • 神谷よしえ

    お米は「水」「大地」「自然」の最大の産物です。そのお米の本来の味わいを最も感じていただける、「おにぎり」を神谷よしえさんが握ります。神谷よしえさんは大分県宇佐にある台所だけの建物「生活工房とうがらし」を拠点に「フードプロデューサー」として活動。また「にぎりびと」として米の魅力を伝えるライスツーリズムを提唱され国内外を問わず各地でおにぎりを握り、食の大切さを伝えています。神谷よしえさんが握る熱々のおにぎりは、「湯気がごちそう」といわれるしあわせを感じる一品です。おにぎりを握ることが使命としながら、お召し上がりになる方の心と体に深く響く味わいを生み出しています。ぜひ、お米のすばらしさをご体験ください。(朝食)

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  • mikangura(ミカングラ)

    大分県臼杵市にある大分県産のお野菜をふんだんに使った料理が特徴的なフレンチレストラン。京都宇治出身のシェフが臼杵の里山に移住し、化学肥料を使わずに育てられた大分県産のお野菜を中心に、近隣の港から揚がった魚介類なども併せ、地のものを使用して腕を振るいます。季節感あふれる彩り豊かな野菜の盛り合わせや、料理の中に織り交ぜられた地元の食材が、驚きと感動を与えてくれます。(昼食)

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※お料理提供施設は変更になる場合がございます。