高千穂
コース
神話と歴史が交差する九州、
いにしえの祈りに心を澄ます旅。

九州の始まりとその物語をたどる四日間の旅。
太古の火山活動が生み出した柱状節理、天孫降臨の神話が息づく地・高千穂。この旅では、人と自然が共に築いてきた暮らしと文化、そして脈々と受け継がれる伝統に出逢います。200 万年の時を重ねてきた大地と人々の営みに触れ、未来へと伝えていきたい九州の豊かさをご体感ください。
※行程は変更となる場合があります。

旅のみどころ

1日目 熊本・象嵌の伝統美とその歴史に触れる

最初の目的地は、熊本県八代。400年以上の歴史があり細川藩の御用窯であった上野窯を訪れ、焼物では珍しい象嵌の技術に触れます。また車内では、武家文化を感じる肥後象嵌の製作体験など、熊本の歴史と伝統を複数のプランからお選びいただけます。

八代(高田)焼

利休七哲の一人であった細川忠興に招かれた上野喜蔵(尊楷)によって開かれ、代々細川藩の御用窯として藩に納める焼き物だけを作陶してきた「八代(高田)焼」。400年以上の歴史を持ち、古くから残る独特の象嵌文様は、いまも現存する細川藩の指示書によるもの。この旅では「八代(高田)焼宗家 上野窯」を訪問し、ご当代による案内のもと普段は入ることのできない工房にて、その伝統的で繊細な象嵌技術に触れる体験をお楽しみいただけます。
(エクスカーション)

肥後象嵌

約400年の歴史をもつ熊本の伝統工芸「肥後象嵌」。熊本藩の鉄砲鍛冶が銃身や刀の鐔の装飾に用いたことでも知られ、黒色の地金に浮かび上がる金銀の繊細な文様が特徴です。「重厚にして雅味」のある美しさを感じる「肥後象嵌」を使用したアクセサリー製作体験を通じて、武家文化に触れていただく時間をお楽しみください。
(車内ワークショップ)

2日目 天孫降臨の伝承地・高千穂へ

2日目の朝は、霧島神宮駅に近接するカフェにて、優雅なひとときをお過ごしいただきます。停車中の「ななつ星」の雄姿を眺めながら、芳醇なコーヒーの香りに包まれ、心安らぐ時間をお楽しみください。また、朝食には鹿児島・霧島の伝統的な郷土料理をご用意。この地に伝わる食文化と料理に込められた思いをご紹介いたします。
「ななつ星」は太平洋を望みながら、一路宮崎県・日向市へ。「ななつ星バス」に乗り換え訪れる日本神話に語られる天孫降臨の地・高千穂では、天岩戸神社や神楽の工房を訪問。夜神楽では「一夜氏子」として、その集落に伝わる舞いを観覧し、その伝統の守り手との交流も楽しめます。

天岩戸神社

古事記・日本書紀に記される神話の舞台。天照大御神が住まわれたとされる「天岩戸神社 東本宮」での正式参拝へご案内します。「天岩戸神社 西本宮」では、天照大御神がお隠れになった天岩戸が御神体として祀られており、拝観時は神職との交流も交えながら日本神話の世界に触れていただけます。
(エクスカーション)

天岩戸木彫

「高千穂の夜神楽」において、舞手がその身に神を宿す上で欠かせない神楽面。自らも夜神楽の舞手である神楽面彫師・工藤 浩章氏の工房へ赴き、木片から徐々に神々の表情を浮かびあがらせていく製作の様子を間近に見ながら、神楽面にかける思いをお話しいただきます。
(エクスカーション)

高千穂の夜神楽

「夜神楽」は、国の重要無形民俗文化財に指定されている高千穂に伝わる民俗芸能であり、毎年11月中旬から翌年2月上旬にかけて、約20の集落で夜を徹して行われる神事のことです。高千穂の人々の重要な祭事であり、集落の家屋も神楽を舞えるようにつくられています。人々が大切につないできた「夜神楽」へ「一夜氏子」として特別に参加し、日本の神話、そして地域の文化や伝統を直にご体感いただけます。荘厳な雰囲気の中で、美しく、温かみのある舞をお楽しみください。
(ご希望のお客さま)

高千穂旅館 神仙

高千穂の自然と文化が深く調和した旅館です。敷地内には四季折々の風情を楽しめる美しい日本庭園があり、訪れる人々を穏やかで優雅な雰囲気で包み込んでくれます。全ての客室に内湯もしくは露天風呂があり、また地元の食材をふんだんに使った懐石料理をお楽しみいただけます。神話と伝統が息づく高千穂の地で、日常の喧騒を忘れ、心がほどけるようなゆっくりとした時間をお楽しみください。
https://www.takachiho-shinsen.co.jp

3日目 高千穂から阿蘇へ、地形が語りかける太古の物語を聴く

九州を象徴する地、阿蘇へとご案内いたします。雄大な阿蘇の絶景をご堪能いただきながら、その景色を千年以上、脈々と守ってきた人々の営み、阿蘇カルデラ・火山の歴史、そしてその恩恵について深くご案内。自然の力と美しさに包まれながら、そこに息づいた人の歴史に思いをはせるひとときをお過ごしください。

阿蘇パノラマガイド

神話の里・高千穂から「ななつ星バス」は一路阿蘇駅へ。阿蘇カルデラの外縁まで来れば、これまでとはまた違う九州の新たな表情に出逢えます。毎分60トンが湧き出す白川水源がある南阿蘇。豊富な湧水群に支えられた田園風景の中を進むと、いよいよ阿蘇の雄大な山並みが。標高が上がるにつれ、阿蘇の草原とともに眼下に広がるカルデラを一望できます。世界農業遺産である千年以上つづく草原維持の取り組みについて耳を傾けながら、いよいよ阿蘇火口付近へ。太古のむかし、高千穂峡の柱状節理を生み出した活火山の力強さを感じつつ、窓越しに見える草千里に思いをはせ、ゆっくりと雄大な自然をお楽しみいただく時間です。

立野駅・スイッチバック

立野駅では、阿蘇の外輪山を登るために列車がジグザグに進行方向を変える「スイッチバック」が採用されています。この三段式のスイッチバックは日本でも珍しく、鉄道ならではの技術と自然との共存を感じられるスポットです。駅周辺は阿蘇外輪山の麓に位置しており、車窓からは阿蘇カルデラの魅力、特別な景色をご覧いただけます。

4日目 神聖な時間に包まれて─旅の締めくくり、宇佐から博多へ

最終日は、1300年の歴史を誇る全国八幡社の総本宮であり、宇佐・国東の重要な文化「神仏習合」の発祥でもある宇佐神宮へとご案内いたします。宇佐神宮内には国宝や重要文化財が数多く点在し、その荘厳な佇まいと歴史の重みを肌で感じていただくとともに、神職による特別なご案内のもと、お楽しみいただけます。
そして、その後は一路、緑豊かな久大本線を走り、終着駅・博多を目指します。

宇佐神宮

宇佐神宮は、大分県宇佐市に位置する全国4万社以上ある八幡社の総本宮で、1300年以上の歴史を誇る。国宝に指定された「八幡造」の本殿があり、全国に16社しかない天皇の使者である「勅使」が遣わされる「勅祭社」でもあるなど、非常に由緒ある厳かな雰囲気をお楽しみいただけます。かつて、宇佐神宮の再建には、当時小倉藩の細川忠興が尽力したとされ、1日目の八代焼につながる人物との再会も九州の旅の魅力ではないでしょうか。
(エクスカーション)

生菓子製作体験

大分県中津市にある武蔵屋総本店は、創業大正13年の伝統ある和菓子店。創業以来、地域の素材を大切にしながら職人技を受け継ぎ、その味と伝統は中津の人々に愛されています。車内では、四代目店主一木武志氏による伝統的な和菓子製作体験をご用意。体験を通して、和菓子作りの伝統と魅力に触れるひと時をお楽しみください。
(車内ワークショップ)

行程表

運行時刻・ルート

上記時刻は2026年3月中旬頃からの時刻です。※2025年10月1日現在

運行日

お料理

九州の豊かな彩りを味わう、
3泊4日の料理。

こだわりの農家の皆さまに愛情込めて育てられた四季折々の食材を、
九州各地の腕利きシェフ自らが手間ひまかけて調理いたします。
和食、フレンチ、郷土料理、イタリアンなど、贅を尽くしたお料理をお楽しみください。

1日目

  • やま中

    1972年(昭和47年)創業以来、“博多前”寿司の名店として、全国の食通が通い込む「やま中」。「ななつ星」の車内では、玄海灘をはじめとする近海物の魚介類と、磨きぬかれた料理人の腕による握りたてのお寿司で、贅沢な時間と空間をご提供いたします。(昼食)

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  • KAI(カイ)

    鹿児島県出水市にある自然の恵みを活かした薪火イタリアン。出水産のジビエや野菜を薪火で調理することで、素材本来の旨味を最大限に引き出す料理が特徴。豊かな環境が生む新鮮な食材を中心に、薪火の力を活かした創造力あふれる料理をお楽しみください。(夕食)

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2日目

  • 千葉しのぶ(鹿児島の郷土料理)

    鹿児島県の食文化の保存と未来への継承を目指して活動しているNPO法人霧島食育研究会理事長であり、管理栄養士、フードコーディネーターの千葉しのぶさん。鹿児島の豊かな食材や、地域に根ざした食文化、そしてそこに込められた先人の知恵を大切にしています。地元の食材を活かしたシンプルで栄養豊富な家庭料理をご用意。鹿児島各地のとっておきの郷土料理を通じて、地域の魅力をご体感ください。(朝食)

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  • 「採れたて食材のセレクトサンド」ななつ星料理長

    鹿児島や霧島の新鮮な野菜等地元食材を使ったランチをご提供。ななつ星で長年お客さまと共に過ごしてきた料理長が九州の風土・文化・人の温もりを、料理を通して皆さまの五感に届くよう腕を奮います。(昼食)

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3日目

  • olmo coppia(オルモコッピア)

    阿蘇駅の近くにある、築160年の蔵を改装した、あたたかく、心にも身体にも優しいお料理が定評のオーガニックレストラン。「ななつ星」では、阿蘇駅のレストラン「火星」で、自家菜園野菜と南阿蘇から届く露地栽培の無農薬野菜を中心に、オーガニックの材料を使った安全で心温まる手作り料理を提供していただきます。(昼食)

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  • Restaurant Aréna(レストラン アレナ)

    福岡市西中洲にあるガストロノミースタイルのフレンチを楽しめるレストラン。素材本来の味を際立たせる見事な火入れ、軽やかでありながら重奏感あふれるソースが特徴。食材の旬を捉え、強弱やリズムを大切にストーリーを紡いだコース料理は、絵画のように美しく華やかです。(夕食)

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4日目

  • ななつ星料理長

    九州は魅力ある素晴らしい食材の宝庫です。「お客さまと素晴らしい食材を育む生産者様とを繋ぐ架け橋でありたい」その想いを胸に、ななつ星料理長自ら九州各地を訪ね、食材から調味料に至るまで厳選しております。ななつ星の車内でしか味わえない九州の粋をどうぞお楽しみください。(朝食)

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  • La Verveine(ラ・ヴェルヴェンヌ)

    大分県由布市にあるフランス料理店「La Verveine」。豊後水道で獲れた新鮮な魚介類、大分が誇るおおいた和牛をはじめ、湯布院の肥沃な大地が育んだ野菜など、地元の食材をふんだんに使った心も身体も元気になるようなお料理をコース仕立てでご提供いたします。美食を通じて、お客さまに元気と感動をお届けできればと願っております。(昼食)

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