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ななつ星で巡る時間旅行

2025.12.17
ななつ星で巡る時間旅行

師走に入り、冬の寒さが身にしみる季節となりました。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
クルー14期生の笹山遥花です。
私の地元・北海道では、連日雪が降り積もり、ホワイトクリスマスになりそうです。

現在運行中の3泊4日「雲仙コース」は、博多駅を起点に九州東西を横断しながら各地を巡る旅です。
コース名の由来となった長崎県の雲仙温泉は、なんと1300年前から続く、九州を代表する温泉地のひとつ。
古くから国内外の人々を魅了してきました。旅の中日には、温泉と地元の方々の温かさが、皆さまの日頃の疲れを癒してくれることでしょう。

そして旅の舞台、長崎といえば、江戸時代に唯一の貿易港として非常に重要な役割を担いました。
海外から多様な文化や物を受け入れ、発展を遂げてきた長崎は、現在もその独特な文化の片鱗を垣間見ることができます。
海からもたらされた品々は、長崎から小倉へと続く「長崎街道」を通じて各地へと伝わりました。


(こちらは一人旅で嬉野を訪れた際に撮影した一枚です。)

この長崎街道は、参勤交代のために整備されましたが、時代の変遷とともに、大名だけでなくオランダ商館長一行、学者や職人、さらにはゾウまで通ったといわれています。
なかでも砂糖は貴重な品として取引され、長崎街道は「シュガーロード」とも呼ばれました。
やがて街道沿いには菓子職人が集まり、修行を重ね、各地で特色あるお菓子が生まれていきました。

ななつ星は、3日目にこのシュガーロード沿いの街をいくつか通ります。
ご乗車の皆さまには、佐賀の銘菓「丸房露」をご用意。
表面にはななつ星オリジナルの焼印入りで、一つひとつ職人の手作業による逸品です。

この丸房露を手がけるのは、佐賀で創業380年以上の歴史を誇る老舗「鶴屋」さん。
鶴屋さんとななつ星の出会いは、今年の夏。原尻クルーが「どなたでもお召し上がりいただける美味しい菓子」を探していたところ、長年地元で愛されてきた鶴屋さんにめぐり逢いました。

江戸時代、佐賀藩は長崎警備を任され、砂糖を優先的に購入できたため、街道沿いでは多くのお菓子が生み出されました。
佐賀藩出身の大隈重信公も丸房露を大変気に入り、東京の邸宅に専用窯を作らせ、鶴屋十一代目を招いて焼かせたという逸話も残っています。

小さなお子さまからご年配の方まで、どの世代にも受け入れられる優しい味わいです。
おすすめの食べ方は、まずはそのまま一口。ふんわり口の中に広がる優しい甘さと食感をお楽しみください。
二口目は、お好みで牛乳や紅茶に浸してどうぞ。ぜひ、シュガーロードの歴史に思いを馳せながらお召し上がりください。

サロンカーは、皆さまが思い思いに過ごせる空間です。
コーヒーや紅茶を片手に、旅の仲間との語らいを楽しむも良し、車窓を眺めたり、本を読みながらゆったり寛ぐも良し。
お時間帯によって、お飲み物やお菓子のご用意もございますので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。

今回は雲仙コースにちなんだ「シュガーロード」をご紹介しました。
ご乗車予定のお客さまも、これから九州への旅をされる皆さまも、いにしえの人々の歩みを振り返りながら各地の銘菓を味わってみませんか。
ななつ星の車内、沿線で皆さまとお会いできることを心待ちにしております。

寒さが厳しくなりますので、どうぞお体にお気をつけください。

クルー
笹山